ネキシウムの副作用「便秘」「下痢」などについて解説

ネキシウムの副作用について徹底解説

 

ネキシウムは、胃酸の過剰な分泌を抑制する効果が期待できるので、胃潰瘍や逆流性食道炎に有効とされている医薬品です。そして、高い効果を期待できるが、あらわれる副作用はあまりないといわれています。しかしながら、全く副作用があらわれないというわけではありません。

 

こちらでは、服用することであらわれるのはどのような副作用かと服用する上での注意点について説明していきます。

 

目次

 

ネキシウムの服用にともない副作用があらわれる確率は?

 

承認を受ける際の試験で、ネキシウムを服用することで副作用があらわれる確率が算出されています。

 

病例 副作用発生確率
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性食道逆流症など

11.5%

低用量アスピリンなどのNSAIDsが原因の胃潰瘍など

14.5%

※ヘリコバクター・ピロリ菌治療時は服用量が増えるため、副作用確率は↑よりアップすると考えられます。
参考ページ:ネキシウム添付文書

 

 

臨床検査値以上を含んだ副作用があらわれる確率は、おおよそ11~14パーセント程度です。なお、ピロリ菌の治療が目的で服用するときだけ、通常では認められていない1日あたり40mgの服用が可能なため副作用率は高くなると考えられます。

 

それでも、11パーセント程度のも副作用があらわれる確率があれば、少し確率が高いと感じるかもしれません。しかしながら、この11パーセントに含まれる副作用は、すべて重症の副作用ではありません。軽症の副作用が含まれており、大半の副作用は軽症といわれています。そうは言っても、副作用があらわれることは事実ですので、どのような副作用があらわれるのかは、服用する前に知っておく必要があると言えます。

 

主なネキシウムの副作用~下痢・便秘・吐き気(嘔吐)~

 

副作用で発生率が高めになっているのは、消化器周りの症状となっています。

 

1%未満

頻度不明

腹痛、下痢、嘔吐(吐き気)、便秘、口内炎、カンジダ症、口渇

鼓腸、悪心(気持ち悪い)、顕微鏡的大腸炎

 

特に確率が高い副作用は、下痢と便秘といわれており、どちらも1パーセント未満の確率があります。

 

はっきりとした原因はわかっていませんが、服用することで、膠原繊維帯(こうげんせんいたい)が肥厚することがあります。膠原繊維帯の肥厚が原因となり、Cl-とNa+を再吸収することが阻害されやすくなります。これが基で、分泌性の下痢になってしまうと考えられています。また、便秘になることもあります。便秘になると便が溜まるので、腹部に膨満感があらわれることもあります。

 

下痢になっても便秘になっても、大切なことは、水分補給です。下痢になると、体内の水分が排出されてしまうので、水分補給が必要なことは理解できます。便秘になった場合は、便をだしやくすするために、便をゆるくする必要があります。そのために水分補給が大切なのです。ですから、下痢にしろ、便秘にしろ、水分補給をしっかりと行うことが必須の対策と言えます。そして、副作用で口が渇いてしまうときも、水分補給を忘れないでください。

 

しかしながら、下痢が改善せずに続くようなら、膠原繊維性大腸炎(collaganous colitis)を発症しているおそれがありますので、服用は控えてください。

 

さらに、低い発生確率ですが、吐き気をもよおすことや食欲不振、具合が悪くなるなどの症状があらわれることがあります。これらの症状が強くあらわれた場合も、服用は、控えたほうがよいでしょう。

 

主なネキシウムの副作用~肝臓系~

 

副作用のひとつとして、肝臓に関連する数値の上昇があります。

 

1~5%未満

肝酵素上昇

 

これは、医薬品の性質によります。と言うのも、大きく分けると、肝臓で分解される医薬品と、腎臓で分解される医薬品があります。ネキシウム(エソメプラゾール)が、肝臓で分解される医薬品ですから、肝臓の各数値が服用によって、上昇してしまうことがあるのです。

 

指標名 基準値 基準値オーバーの場合
AST(GOT) 31IU/L以下 肝細胞の障害
ALT(GPT) 30IU/L以下 肝細胞の障害
AL-P 100~325IU/L 肝障害、胆道疾患
LDH 180~240IU/L 肝細胞の障害
γ-GTP 30IU/L以下 肝細胞の障害

 

↑はすべて肝酵素の数値となります。これらの肝臓に関係する数値が、服用前から高い方は、肝細胞が障害を起こすリスクが高いということなのです。アルコール性の脂肪肝や肝炎、肝硬変などの肝臓にまつわる疾患を患っている方や肝臓に関連する数値が高いと健康診断などで指摘を受けている方は、服用することは控えたほうがよいと言えます。

 

ただし、腎機能障害がある方の服用は、原則として通常の用法・用量で可能とされています。これは、服用しても腎臓で代謝しないからです。

 

主なネキシウムの副作用~眠気や頭痛、うつなど~

 

眠気に襲われるなどの精神神経系に関連する副作用があらわれることがあります。

 

1%未満

頻度不明

腹痛、眠気、浮動性めまい

不眠症、うつ病

 

確率は低いのですが、眠気があらわれると、自動車の運転や仕事に支障をきたしますので、眠気に襲われるのであれば、運転する予定がある前や仕事前に服用することは控えたほうがよいのかもしれません。また、眠気とは真逆の不眠が副作用としてあらわれることもあります。

 

そして、確率は低いのですが、頭痛やめまいがあらわれることがあります。強い症状があらわれるのであれば、他のPPIの服用を検討することをおすすめします。

 

また、副作用で眠気に襲われたときに、眠っても問題がない状況であればよいのですが、眠ることができない状況のときは、眠気を覚ますために、コーヒーなどのカフェインを含んでいる飲み物を摂取することを考えるかもしれません。しかしながら、カフェインは、胃壁を刺激し胃酸の分泌を促進する作用があることがわかっている物質です。ですから、逆流性食道炎を患っている場合は、胃酸の分泌を促進するカフェインは控える必要がありますので、副作用として、眠気に襲われたとしてもカフェインを含む飲み物を摂取することは控えましょう。

 

その他のネキシウムの副作用

 

ネキシウムを服用することであらわれる副作用は、0.1パーセントから5パーセント未満の低い確率ですが、上記以外にも認められています。こちらでまとめて解説します。

 

過敏症~湿疹・じんましん・かゆみ~

 

1%未満

頻度不明

発疹、皮膚炎、かゆい、蕁麻疹

光線過敏症

 

皮膚にあらわれる副作用が出ることもあります。1パーセント未満の確率であらわれる副作用が、発疹や蕁麻疹などの皮膚炎、そしてかゆみです。そして、頻度は不明ですが、光線過敏症などの副作用があらわれることがあると考えられています。

 

こうした皮膚炎の原因と考えられているのが、過敏症薬疹です。薬疹とは、体の免疫機能が偶然反応してしまうことで起こります。つまり、「相性が悪い」ということです。こういう「相性による薬疹」は、どんな医薬品でも起こる可能性があります。薬局で売っている風邪薬で起こす人もいますし、中にはビタミンサプリで薬疹が出てしまう人がいるのです。

 

なので、こういった皮膚炎については「運が悪かった」と言うほかありません。こんな場合は、服用はNGとなるので、速やかにやめましょう。

 

また、

 

回転性めまい、味覚障害、脱毛症、関節痛、筋肉痛、倦怠感(だるい)、低マグネシウム血症

 

などについても、低確率で起こることがあるので、あらかじめ知っておきましょう。

 

ピロリ菌を治療時の症状について

 

ピロリ菌を治療する目的で服用することがあります。ピロリ菌を治療する場合は、通常では認められていない1日あたり40mgを服用することとなります。通常使用では、1日あたり20mgまでしか認められていません。

 

ですから、やや強めの副作用があらわれるおそれがあります。また、通常使用では、あらわれない副作用が起こる可能性も指摘されています。

 

5%以上

1~5%未満

1%未満

下痢・軟便(19.9%)、味覚異常(7.8%)

口内炎、腹痛、食道炎、腹部膨満感(お腹が張る)

便秘、舌炎、悪心、口渇、十二指腸炎、肝酵素上昇、頭痛、めまい、睡眠障害、QT延長など

 

↑はピロリ菌治療時のネキシウムの副作用ですが、服用量が増えることによって、副作用の症状数が増えたり、確率も上がっています。

 

また、貧血や白血球増多などの通常使用ではあらわれない血液系の副作用があらわれます。さらに、低確率ですが、血小板が減少することがあるので、薬剤性血小板減少症による血が止まりにくい状態になるおそれが危惧されています。

 

ピロリ菌の治療のために、通常使用よりも多い用量で服用するのは、約1週間ですから、治療の終了にともない、このような副作用は治まる可能性は高いといわれていますが、ピロリ菌の治療中は、副作用があらわれるリスクが高いことは知っておくことが大切です。

 

長期にわたり服用や投与を続けていれば骨粗しょう症のリスクが

 

逆流性食道炎に用いられることが多い医薬品のプロトンポンプ阻害薬(PPI)は、長期にわたり服用することが多々あります。

 

1年以上の長期にわたり高用量でPPIの治療を受け続けた患者は、骨折などが増えると海外での観察研究で明らかにされています。そして、長期にわたり投与を続けると、骨粗しょう症のリスクが高くなり、手の関節や股関節、脊椎などの骨折をするとの事例報告があります。

 

長期にわたり服用すると、上記で説明したさまざまな副作用のあらわれる確率は、高くなってしまいます。逆流性食道炎の症状を改善することが期待できますが、大切なことは、逆流性食道炎の原因となる生活習慣を改善することです。長期にわたりPPIに頼り続けることは、できる限り避けましょう。

 

 

ネキシウムのジェネリックの副作用

 

※ネキシウムはまだジェネリックが発売されていません。以下は「今後ジェネリックが出た場合」の内容なのでご注意ください。

 

ジェネリックとは、「名前や価格は異なるが、同じ成分が入っている医薬品」のことです。ですから、ジェネリックは先発品と同一の成分が入っていますので、あらわれる副作用は同じであると考えておく必要があります。そして、ジェネリックを服用したことであらわれた副作用に対処する方法は、先発品を服用したときと同様です。

 

ネキシウムが発売されたのは、1992年です。すでに、特許期間の20年を経過していますので、ジェネリックは各社から販売されています。ジェネリックは、各社で名称は異なりますが、同じ成分が含まれていますので、あらわれる副作用は、基本的に違いはないと考えておくべきです。

 

ネキシウムの副作用のまとめ

 

ネキシウムの副作用に関しての説明をここまで行ってきましたが、あらわれる副作用はそれぞれ、発症率はあまり高くはありません。しかしながら、すべての症状をあわせると、先に説明したように15パーセントほどの比較的に高い確率となり、おおよそ6人に1人は、なんらかの副作用があらわれる計算になります。多くの方は、さほど問題が起きることはありませんが、副作用があらわれる方の割合はそれなりにあります。「自分は絶対に大丈夫」と根拠のない自信は持たずに、「副作用があらわれるかも」と服用する前に意識しておくことが大切です。

 

そして、高齢者や子供、肝障害がある方は、ネキシウムの副作用があらわれやすいと考えられています。特に、体のさまざまな機能が弱ってきている高齢者は、若い方よりも一段と副作用については注意をしておく必要があります。万一、服用したことで、なんらかの不調が体にあらわれたときには、医療機関を受診するべきですし、あらわれた不調の状態と服用していることは、ちゃんと伝えるようにしてください。

 

しかしながら、副作用を恐れているだけではいけません。たしかに副作用があらわれることはありますが、強いプロトンポンプ阻害作用が期待できます。逆流性食道炎などの症状を緩和させるには有効な医薬品ですから、効果と副作用のバランスを考えて、適切に使用することがなによりも大切です。

 

服用することで期待できる効果については、詳しく↓のページにて説明していますので、確認してください。

 

>>ネキシウムの胃潰瘍・逆流性食道炎に対する効果とは